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2011年2月

ハミルトン 992B(3)

992bmove

これがムーブメントです。
トゲトゲのついたわっかがバネ振り子のおもり部分になっていて、下のうずまきバネがバネになっていす(そのまんま)。バネが青い焼き入れ鋼でなく、銀色をしていることに注意してください。これがエリンバー合金です。温度及び耐磁をこれで実現しています。
拡大すると、どん。

992bescape

問題はバネ振り子のおもりに切り目がないことです。
参考までにふつうのバイメタル切りテンプの写真はこんな感じ(ウォルサム ヴァンガード)。

Vanguardbalance

トゲトゲ生やしたわっかが赤っぽい歯車の下とその反対側で切れていて、また銀色と金色の二重になっていることがわかります。ついでに下のバネは青焼きですね。
じゃあどうやって992Bは温度不感を実現しているのか。ふしぎですね。
まあ2万ちょい+分解掃除でこれだけ状態のいい時計が手に入るのがアメリカ懐中のいい所です。

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ハミルトン 992B(2)

温度が上がるとものは膨張しますよね。
ばねは伸びます。弱くなりますね。
振り子も大きくなります。しんどくなります。
つまりばね振り子は温度が上がると遅れ、下がると進みます。
これを抑えるために昔の人はおもりのわっかに切り目を入れ、なおかつ膨張率のちがう二種類の金属を貼り合わせ、温度が上がって伸びると(貼り合わせた材質の膨張率の違いで)内側に切り込み、温度が下がると広がって温度の狂いを補償します。すごい仕掛けです。これを「バイメタル切りテンプ」といいます。
この苦難はギョーム博士がエリンバ・インバー合金を発明するまで続きます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%A0
ところが工夫をする人はいるもので。
インバー以前に材質の工夫でなんとかしようとした製品がありました。そのひとつがこのハミルトン992Bです。

992bface

顔はふつうですね。デザイン性よりも視認性優先です。最初は野暮ったいなと思いましたが、使ってみると時刻の読みやすさに感動します。
裏は。

992bback

ふつうですね。
しかし中身は。

992bmove

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