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バイメタル切りテンプ

前回エムパイアで「バイメタル切りテンプや微動緩急装置といった豪華装備はついていない」と書きました。
ではこういうのを装備するとどうなるか。
ということで、どん。

Balance

ものはウォルサムのヴァンガード、23石。
まずはさきに書いたばね振り子の振り子部分、テンプです。
画面中央を軸にして大きな黄色の、トゲトゲが生えた円環がありますが、これがテンプです。よく見ると円環が二種類の金属を貼り合わせてある(外側が金色で内側が銀色)なのがわかると思います。真鍮と鉄を貼り合わせてあります。円の右側と左側(赤っぽい大きな歯車と重なってるところ)が切れているのがわかると思います。これがバイメタル切りテンプです。
その内側のうずまき状のバネ、ひげぜんまいは前回のエリンバー(銀色)と違い青色をしていますね。つまり、まだ青焼き鋼です。このうずまきの巻き方にも工夫があって、この写真ではブレゲヒゲ(巻き上げヒゲ)と呼ばれる、調整に技術を要する巻き方になっています。
テンプの真ん中に銀色に輝くものがあります。これは軸受けで、通常は磨耗に強いルビーを使います。しかしこれはカットされ透明。ダイヤモンドが入ってます(ダイヤモンドエンドストーン)。そこから上に伸びるわっかとネジは微動緩急装置です。機械式時計はほとんどがひげぜんまいに軽く棒を当て、その当てる位置をずらすことで微妙な緩急調整をしますが(エンドストーン斜め右下に見える2つのピンを植えたでっぱりがそれです)、この個体はこれをねじで微調整することができます。
あとは全体に施されたゴージャスな彫刻、左の大きい歯車(二番車)が金でできていること(ゴールドセンターホイール)、まだ軸受けが一発できまる精度がなかったので金の筒(シャトン)に入れてネジ止めでとめていること(ネジ止めシャトン)などでしょうか。
まだ工業が未熟なためそれを職人の腕でカバーする、その工夫が楽しいです。
まあ、日本はまだかなり未熟でしたが、それでもこんなの作ってます。
精工舎ナルダン型。

Naldinback

ユリス・ナルダン社の製品をパクりましたと銘々からして言っちゃってるのがちょっと寂しいですが、中身は多少工夫されています。スワンネック緩急針(微動緩急装置の一種)付いてるし。
まあなんですね。
日本の発達は刮目すべきものがありますが、やっぱりアメリカと戦争しちゃいけなかったですね。

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