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ブローバ アキュクォーツ

機械式腕時計の秒針はクォーツに比べ滑らかに動きます。とはいえ実際には毎秒5回から12回くらいのパルスで動いており(2.5hz~6hz)、注意して見るとわずかに秒針がブレているのがわかります。
先日書いた、ブローバ社が開発した音叉時計は音叉の振動をラッチを使って回転力にかえるもので、毎秒360回ものパルスで動きます。もはや目視では完全に滑らかに見えます。
精度は劇的に向上し、電池駆動のため毎日巻いたり振ったりする必要もありません。
やった。
カコイイ。
音叉時計の未来は洋々たるものに見えました。
クォーツ腕時計が出るまでは。

クォーツ時計は水晶振動子のパルスで動きます。一部例外はありますが、大抵は32.768kHzを使っています。
ありゃま。
文字通りの桁違い。
とはいえブローバの方針が甘かったというわけでもないらしいです。
いや、結局は甘かったんですが。
クォーツが時計に使えることはずっと昔から分かっていました。A.W.マリソンがクォーツを時計に応用しようと図ったのは1927年。詳細は知りませんが巨大なものだったらしいです(ICがなかったから真空管式だったそーで)。半導体時代になっても、クォーツ時計を腕時計に小型化するのは難しいことでした。
しかし、1969年12月。
セイコー クォーツ アストロン発売。ご存じクォーツショックの始まりです。
とはいえ即座に音叉時計や電磁テンプ時計が死滅したわけではないようです。音叉時計の生産終了は1976年。クォーツ時計は高価で、低価格電池時計として音叉や電磁テンプが棲み分けるとか考えていたみたいです。実際、アストロンは当時45万円という高価格。
しかし、ここでも読み違いがありました。
ご存じの通りクォーツの低価格化は素早く、音叉だけでなく世界の時計メーカーが枕を並べて瀕死の状態に陥ることになります。
で。
長い前置きでした。
ブローバはクォーツショックで壊滅的打撃を受けるわけですが、その断末魔でこんなものを作っていました。
その名もアキュクォーツ。

Accuquartzface

音叉がついてます。
でもクォーツなんです。
音叉の自身の等時性は無視して、クォーツの振動にムリヤリ合わせてるんだそうです。
音叉は何をしているかというと、単なるモーター。
いや、だめだろそれ。
セイコーは超シンプルなステップモーターを使っているというのに、でっかい音叉とコイルが2個に、0.01ミリの歯を刻んだインデックス車。
もちろん廃れました。
しかしあまりの奇天烈さか知名度が低く、オクなどでもあまり値段がつかないようです。一万円程度でクォーツの精度で音叉特有の滑らかなスィープ運針が手に入るのは、なんちゃってスプリングドライブ的においしいかもしれません。電池はもう生産されていないのでヤフオクか個人輸入で代替電池を手に入れる必要がありますが。
この個体は傷も少なく、音叉の下にクォーツが付くロゴもクールで(自虐的ともいう)気に入っています。当然耳に近づけるとキーンという音叉の音。
Accuquartzmoveメカはこんな感じ(写真右)。水晶の缶は機械の下にあり見えないので普通の音叉時計のように見えますね。ただ音叉時計はトランジスタ世代ですが、アキュクォーツはICが載ってます。
電磁テンプをクォーツで規正する時計もあったらしいですが持ってないです。

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