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オリジナル・ノーチラス(2)

ノーチラス・チューブ。
スピーカーユニット背面の振動・音波をいかに抑えるかが肝要であることは前回書いた。そして背面の振動を遮断する箱の形状と吸音材をどう工夫するかで各社鎬を削っていることも。
で、B&W社にいた、ちょっと頭のネジが外れた天才が天才が考えたのがノーチラス・チューブ。長大な、太さが漸減するパイプにスピーカーを取り付ける。諸悪の根源である背面の音は、この長いパイプ内を反射しながら互いに干渉して打ち消しあい消えていく。
で、B&W社、オリジナル・ノーチラス
頓狂な形状だが言われてみれば合理的であることがわかる。上の三本のトゲトゲは太さが漸減し、上記の通り背面の音波を打ち消す。一番下のパイプはあまりに長いのでトグロを巻いている。ちなみに重量はひとつ当たり86.5kgだ。当然最低二つ必要になる。お値段は¥11,000,000である。
なんで筒が4本に分かれているかというと4つ付いてるスピーカーユニットごとに最適な長さのノーチラス・チューブが付いてるからだ。それじゃどうしてスピーカーユニットを4つに分けるのかというと音の周波数ごとに最適なユニットを用意したからだ。空気を揺るがし腹に響くような低音を鳴らすためには、部屋の空気を震わせることのできる大きな面積のスピーカーユニットが要る。しかし巨大なユニットは高速で振動することを要求される高音(周波数の高い音)を鳴らしづらい。かくて信号を帯域(周波数)ごとに切り分けて、最適なサイズのユニットに流し込んでやるのだ。全帯域をひとつのスピーカーユニットでまかなう(分割なし)スピーカーをフルレンジ、分割するものは分割数ごとに2ウェイ、3ウェイ……と呼ぶ。上記オリジナル・ノーチラスは4つのユニットが付いているので4ウェイというわけだ。ちょっと多いが非常識というほどでもない。自分が使っているQUADの22Lでも3ウェイだ。
ちなみにこういう帯域を分割するタイプのユニットに専門外の周波数を流し込んで無理やり音を出させると、最悪ブッ壊れてしまう。このためユニットごとに、専門にする帯域だけを通すフィルター回路を取り付ける。これをスピーカーネットワークという。
フルレンジならスピーカーネットワークは必要ない。また、2ウェイならそれぞれ「ある周波数から上を切り捨てるフィルタ」と「下を切り捨てるフィルタ」でよい。ところが3ウェイ以上になると「ここからここまでだけを残すフィルタ」が必要になって回路は大幅に複雑になる。
で、オリジナル・ノーチラスはどうなっているかというと。
困ったことにスピーカーネットワークが付いていない。
どうなっているんだというところで以下次号。

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