セイコー ロードマーベル ロービートマーベルベース後期型
セイコーのマーベル(1956~)は一時代を築いた偉大な時計だ。この時計をベースに高級時計として生産されたのがロードマーベル(1958~)となる。綴りはLordMarvel、マーベルの王様だ。この時点ではセイコー最高級の時計だった。後にグランドセイコーの登場によりセイコー内では二番手の地位となった。また、先述の通り生まれこそマーベルの改良型だが、途中クラウンという機種の機械を使うことになり、機械の見栄え的にはかなり後退した。裏蓋を開けなければわからないが。さらにそのずっと後には振動数を倍にしたロードマーベル36000となり大幅な精度向上を実現した。わりと波瀾万丈のシリーズである。
マーベル、ロードマーベル36000は持っていたので、その間をつなぐロードマーベルの初期型はずっと欲しく思っていたがやっとひとつ手に入れた。
左からマーベル、今回手に入れたロードマーベル、ロードマーベル36000、クラウンとなる。なるほどマーベルとロードマーベル36000の間のような意匠だ。また、クラウンと同時期の時計だということも納得できる。文字盤の色はクラウンに似ているし、針の意匠とケースの形状はロードマーベル36000に近い。針はむしろマーベルとクラウンが似ているか。
背面も時間の経過を感じさせ面白い。マーベル、ロードマーベル、クラウンはスナップバック、いわゆるポコ蓋、はめ込んであるだけでこじって開けるタイプ、ロードマーベル36000のみネジで締め込むスクリューバックだ。写真ではよくわからないがロードマーベルとクラウンにはごく薄く意匠が彫られている。
さてご開帳。美しい。すばらしいムーブメントだ。といってもゴチャゴチャしてよくわからない。この際全て比較してみよう。
同じく左からマーベル、ロードマーベル、ロードマーベル36000、クラウン。
部品の配置はぶっちゃけあんまりかわらないね。
それでもよくみると発達の跡が見てとれる。
マーベルに比してロードマーベルはひとまわり大きい。また、ロードマーベルと36000は縁にパッキンが入っていてある程度の防水性を確保している。ちょっとわかりにくいが各機械の左寄りにある金色のわっかがテンプという重要な部品(時を刻むばね振り子のおもり部分)なのだが、マーベルにあったトゲトゲ(チラネジという。工作精度のムラを調整する)がなくなり一回り大きくなった。クラウンのものもでかい。ロードマーベル36000で逆に小さくなっているのは振動数が倍になったためだ。
セイコーは角穴車や丸穴車といった歯車の装飾をグレードに応じて行っていた節がある。角穴車というのは機械下側に位置する大きな銀色の歯車だ。ここは動力の心臓部ですぐ下にぜんまいが入っている。それと噛み合って右側にある小さめの銀色の歯車が丸穴車。なるほど見てみるとマーベルは歯車部分で角の面取りをしている。ロードマーベルはさらに飾り溝をもうけ、鏡面仕上げをしている。ゴージャスだ。ロードマーベル36000になると再び後退してしまう。クラウンはマーベル程度の仕上げといったところか。
とにかく気に入ったのでしばらく運用してみようと思う。
クラウンムーブのロードマーベルは持っていないが、クラウンあまり好きではないのでまあいいや。
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