腕時計内容(3)
外観は懐中時計から腕時計に移行し始める当時の定石通り。まだバンドを付けるばね棒などはなく、パリス環と呼ばれる針金が上下に溶接されている。バンドは特殊なものを使うか、それとも写真のように接着式のものを使うかである。
側は金張りだ。薄い金箔を張り付けていく技法は膜厚が厚くなり金メッキより高級とされる。しかし磨きにくいのであまり好きではない。文字盤は三段瀬戸干支、つまりホーロー引きでくすみも無く、幸いクラックも無い。数字はブレゲ数字とよばれるフォントを使っている。同じく針は青焼き(ブルースチール)のブレゲ針(先端付近に丸い輪があるのが特徴)だ。要するにブレゲの影響を受けた懐中時計をそのまま小さくしたような塩梅で、当時の時計の定番といえる。
不満点もないわけではない。機械の飾り彫刻などは少ない。メーカーロゴ、15石3方試などのスペックが淡々と書いてあるだけだ。コート・ド・ジュネーブ処理(波うつような彫刻)くらいしてほしかった。
要するに当時の常識的デザインをまとった、そこそこ高級仕様といったところだ。しばらくお気に入りで使おうと思う。
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