« 接写 | トップページ | 喜怒哀楽 »

サウンドエフェクト

フォルダの使い方を覚えた。
まずはこの音を聞いていただこう。

http://nakatajun.cocolog-nifty.com/19seiko.wav
http://nakatajun.cocolog-nifty.com/homer.wav

非常にヤバイものを連想したあなたは正しい。ぶっちゃけ時計の針と文字盤に接点付ければ時限爆弾になるわけで、これらシーンのサウンドエフェクトとして使われるのだ。クオーツでは秒一回しかモーター音がせず迫力に欠けるので今でもぜんまい時計の音が使われる。
上は鉄道運行用として使われた傑作機19セイコー(長期間生産されたため型が様々だがこれは戦後初期のタイプ)、下は30年ほど前のシチズンホーマー鉄道車掌用である。チック音とタック音が違うことに注意されたい。

ナニ、セイコーもシチズンも同じ音じゃねえかって?それではセイコーが精度を追求したロードマーベル36000の音を聞いて頂こう。こいつはすばらしい時計で一日5秒と狂わず姿勢差も出ない。たぶんもっと追い込むことも可能だろう。

http://nakatajun.cocolog-nifty.com/lordmarvel.wav

種を明かすと時間を刻むための振り子の振動数が倍なのだ。通常のぜんまい時計はチック・タックを合わせ毎秒5回程度針が動いている(5震動)が、こいつはハイビートとよばれ毎秒10回動く(10震動)。一分間だと36000回針が動くのが名称の由来である。うちのぜんまい時計では一番出来・状態共によい時計で時計の音というとこっちを連想するため、「なつかしさとぬくもりを感じるぜんまい時計の鼓動」とかいうと「ハァ?」とか思うがこれは嫌がらせに近い。セイコーは既に10震動を作っておらず、ゼニス社のエル・プリメロ、またこの臓物を使ったタグホイヤーのなんとかという上級機などごく僅かしか残っていない。いま「ハイビート」と呼ばれるものは概ね8震動程度が主流だ。

では、ぜんまいでない時計の音を聞いていただこう。
ただしクオーツはあたりまえだ。クオーツとぜんまい時計の間には、ばね振り子を電池で動かす電磁テンプ時計、そして音叉の震動で針を動かす音叉時計があった。音叉時計はブローバ社のアキュトロンが有名だが、自宅のものはこのライセンスを受けたシチズンのハイソニックだ。

http://nakatajun.cocolog-nifty.com/hisonic.wav

期待に違わぬ音ではある。
実際にはこれ音叉ではなく、音叉に取り付けられたレバーが秒針を押す音とも聞くが(自転車の後輪のような機構になっていて、自転車がペダルを前後させても進むのと同じ絵で音叉のブルブルを回転運動に伝えている)、毎秒360回は当時としては画期的だったのだ。
セイコーが毎秒32,768回の震動をベースとしたクオーツアストロンを出すまでは。

列車運転台の時計はクオーツになった。
シチズンは既に国内で機械式時計を販売していない。
10震動ハイビートはほとんど無くなった。
音叉時計は綺麗さっぱり消滅した。

と、わりとどれも先に続かなかった技術なのである。

ちなみに時計などかすかな震動を起こす機械の音を録音したいときは、マイクのスポンジを剥がしてマイク本体にスポンジ両面テープをつけて貼り付けるとよい。実際時計の調子を測るタイムグラファという機械も、金属土台の中のマイクにゴムを介して時計を載せ、ゴムに軽く押しつける構造になっている。

|

« 接写 | トップページ | 喜怒哀楽 »

とけい・とけい」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: サウンドエフェクト:

« 接写 | トップページ | 喜怒哀楽 »