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セイコー

テレビに出てくる時限爆弾のカチカチカチカチ……という作動音は基本的に毎秒5回である。というのは一昔前の腕時計や懐中時計はぜんまいで動いていて、この振動が毎秒5回だった事による。

いまのクオーツ時計は実用十分な精度を簡単に得られるし、絶対時計あわせをしたくなければ電波時計という手もある。しかしながら当時はいろいろな方法で精度を上げる工夫がされていた。
その一つがハイビートであるらしい。毎秒5回のカチカチの回数を上げてやるのである。精度はそれだけ上がる。ただしテンプ(ばね振り子)は倍忙しい。軸受けは二倍グリグリされる。しかしながら倍のスピードで動く機構というのは魅力的だ。

昨今はぜんまい時計が見直されている(ていうか万人が携帯電話を持っている現在腕時計なんぞ本当はいらんのだ)、らしい。まあボッタクリ価格を正当化しやすいという本音もあるんだろうけど。いずれにせよ現行機種は高級機でも毎秒10回というのはあまりない。安いものは5振動、高いものも8振動くらいが多い。

そうすると、クオーツがまだ世界を滅ぼしてしまう前のハイビートというのは俄然魅力的に写るではないか。ということでハイビートの、メジャーなんだか無名なんだかよくわからんモデルをヤフオクで落札した。

before セイコー ロードマーベル36000。36000というのはつまり秒10回だから一時間36000回だ。わかりやすい。オークションでは出品者がちゃんと「傷が酷い」と説明していた。しかしながらそれは再研磨などの加工をしていないことを意味する(ただしメンテもしてないだろう)。博打ではあるが安価に購入できた。

lordmarvel-under 確かに傷は多かったがムーブメント(臓物)はいいで動く。まあ、猫の心音のごとくせわしないが。とりあえずガラス面だけでもざっと研磨したところかなりよい感じになった。左はシチズン・ホーマー鉄道用でこれもぜんまい時計である。量販用の機械を高品質化し、そのかわりデザイン性を捨て去った一種のカスタム機に近い。ちなみに本当に国鉄納入品で北釧の刻印がある。在来技術の塊なのにやたらと正確、という日本人らしい機械だ。
右は比較に表示したチタンのクオーツ時計である。三者三様だ。
針は視認性重視のホーマー鉄道用がいちばんよい。一日一回ぜんまいを巻くことを当然として要求する機械式と違い、クオーツは省電力か第一に求められるから針は軽く細くなる。
また、クオーツは毎秒1回しか針が動かない。ホーマーは1秒を五回の動きで刻み、ロードマーベルは秒10回と、ほとんど流れるような動きとなる。下の動画は絵が汚くわかりずらいが、それぞれの針の動きを注目すると、クオーツの秒針は間延びしているようにすら感じるだろう。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/nakatajun/lordmarvel.AVI
針の視認性の高さとなめらかさは機械式の隠れた魅力ではある。

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