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オピネルとそのまがいもん またはいかにしてわたしは心配するのを止めサイコガンダムを愛するようになったか

どうもフランスものは縁があるようだ。彼らは我々やドイツ人、イギリス人のように論理的な思考をしない。自分の欲望と感性に従ってものを作ってしまうので、往々にして実用性や経済性に大きく欠けたものを作ってしまう。
しかし、アタリが出ると本当にすばらしく、体の延長のような品となる。

フランスのナイフとして、オピネル、ライヨール、ジャックモンジャンなどが有名らしい。自分はライヨールが好きで常時携帯しており、既に6本目なのでこれは別項で述べる。
とりあえず今回はオピネル及びそのまがいものだ。
オピネルはとても安い実用ナイフである。ものによるが普通の品は千円ちょいで手に入る。木の素朴な丸いハンドルと、素朴なロック機構、研げば結構いける炭素鋼の刃が特徴。登山や庭いじりに使われる。ライヨールは美しさを求めにかなり高価なものに付いているが、オピネルはほのぼのするよいナイフだ。刃がすぐ錆びるとか、ハンドルが本当に木なので水を吸うと歪んで刃が入らなくなるとかそういうのは瑣末な話である。
とにかくかわいい。なにしろ登山や庭いじりに使われるので、そこらに置いておいても違和感がないのだ。実用性は高いが、作りはとても素朴なものだ。

で。
ひるがえってアメリカにはコールドスチールという会社がある。これはナイフで車のドアぶち抜いてみたりマニラロープの白髪ネギ作ってみたり、日本刀やドスの現代版を作ったりそういう会社だ。この会社は同時に、脇差やククリといった民族様式のナイフを現代の鋼で蘇らそう、という高尚なんだか下品なんだかよくわからんラインナップがある。
で、なぜかかつてオピネルを模したものを作ったことがある。これがTwistmasterだ。

R0011028 木の素朴なナイフがオピネル、黒いのがTwistmasterである。確かに外観はオピネルをリスペクトしている。独特のロック形式(刃の根元にある金属環を回してロック)もそのままだ。ハンドルは当該メーカーが得意とする樹脂で、滑りにくく見た目を気にしなければ優れたものだ。

が、付いている刃は明らかに「Coldsteel社のブレード」なのである。
箱から出していきなり産毛が剃れてしまう。また、よくみるとtanto型、つまり刺突に向いた先端形状になっている。さらに実は刃の厚みがこんなに違う。

R0011030

並べてみて、正義のガンダムと邪悪なサイコガンダムを連想した。

要するに、この製品の目指すところは明白だ。
日常用ナイフに見せかけて、キンキンのえげつない刃持ち歩きましょう、ということだ。
筆者のように、人畜無害に見せることが大切な職務ではこれはありがたい。

しかしながら世間には「弱そうなコールドスチール」「エスプリのかけらもないオピネル」であり、とっても中途半端なシロモノだったようだ。とうに生産中止で、今回はデッドストックの最後の一本を手に入れた。

カーショウも似たような製品を出している。このナイフも気になる。

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